ブラジルのマイナー・レーベルから密かにリリースされ、一部のコレクターに愛されてきたジャジー・ブラジリアンの最高峰がひさびさの再発!英語に訳せば「IN A BLUE DAY」という素敵なタイトルどおり、ノースカロライナ州の大学に通っていたブラジル人男性オルランドが、ブラジル音楽に魅せられたアメリカ人女性パトリシアに出会い制作されたというレコードが本作だ。冒頭からいきなりのハイライト・トラックといえるだろう。可憐なパトリシアのヴォーカルに、ボサノヴァ×ジャズ的な演奏が絡み合い、オルランドのヴォーカル、そしてフルートのソロが挿入される表題曲\"NUM DIA AZUL\"、サックス・ソロ~サンバ・アンサンブルが挿入されるインスト・ジャズ\"SAMBA WALK\"、ミナス的な浮遊感も感じさせるオルランドのヴォーカル・トラック\"CANCAO DA CHUVA\"、パトリシアのスキャットをフィーチャアした\"CHORO SAMBAIAO\"、言わずと知れたジョビンの名曲\"SO DANCO SAMBA\"、\"THE GIRL FROM IPANEMA\"、バーデン・パウエルを思わせるギターを中心にしたジャズボサ・トラック\"SINAL VERDE\"...。アマチュアイズムを適度に残したボサノヴァ黎明期の甘酸っぱい空気感と、全曲捨て曲なしともいえる美旋律のオンパレードが両立。当時はあまり話題にならなかったのか、オリジナルを手に入れることは至難の業だが、筋金入りのボサノヴァ・ファン、ブラジル・レコード・ファンにはプライベート盤ジャジーブラジリアンの最高峰として長年愛されてきた逸品だ。一度リイシューされているものの、それもすでに入手困難だっただけに、今回の再発は嬉しい限り。